著作権法改正と出版情報登録センター

要旨

情報環境が発展して行く中で、インターネットを介した電子情報の流通が増加している。それに伴い出版業界では新しい課題も山積している。その発端はGoogleブック検索問題である。 これまで日本国内では、著者と出版社との間で電子書籍出版に関する契約書の締結は進んでおらず、対応に苦慮することとなった。また電子書籍の違法アップロードに対する問題もある。 出版社には違法アップロードを行った者を訴えることはできず、著作権者が訴えなくてはならなかった。日本国内ではこの対処法として、2015年5月14日に改正著作権法が公布され、2015年1月1日より施行された。この改正により出版権を得た出版社も訴訟を起こすことができるようになった。またこの法改正を受け、2014年12月には「出版情報登録センター」が設立され、紙媒体だけでなく、電子媒体の出版物に関しても出版権の設定情報の登録及び閲覧ができるデータベースが策定されている。しかし、これは著作権者や二次利用を目的とする利用者目線ではなく、出版業界による出版業界のためのデータベース形成のように見える。「知的財産立国」を目指す日本において、誰のための「出版文化」なのか、改めて問いたい。
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