癒されるかおりの情報基盤的考察

要旨

近年では日常生活の場面での情報通信の役割は増大し、遠隔地間におけるコミュニケーションをリアルタイムかつ対面コミュニケーションとの差異のない環境を提供する技術開発が次々に進行されてきた。画像や音声に加え、触覚や味、におい、その他深部感覚や平衡感覚に関してもコミュニケーション相手との間で交換・共有することが当然と予測される。本論文では、癒しをテーマとし、におい・かおりの中でも特に「癒されるかおり」をどう活用できるか、またその有意性を探るために予備実験も行う。まず、人とかおりが古来よりどう慣れ親しんできたか、またそもそもかおりやにおいを感じ取る人間の感覚機構や嗅覚の仕組みについて紹介し、特に最近のにおいの研究成果についても詳しく述べ、環境も含めた癒されるかおりの条件を考察してゆく。次に、かおりに関する名詞や形容詞といった言葉や、味覚、色との関係について触れ、それらをふまえて予備実験を行いSD法といった感性工学からのアプローチをもって結果抽出し、そこから課題を検討する。最後に、それらを総括し、今後の実用的なかおり通信への問題点を洗い出し、今後期待しうる分野での具体的活用法についてまとめてみる。
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